インドとブータンと幸福と格差と 前編

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*その昔、別ブログに書いていた記事をリライトして掲載します。

今回は、2009年1月の記事です。

…稚拙な文章ですが、諸国を遍歴してきた2009年の自分なりの幸福定義を書いてみたので、少々長文ですが読んでもらえると幸いです(自己流の論文形式で綴ってみました)。

 

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自分にとってこのてテーマを考えるタイミングが訪れた。

人間の恒常的な「幸福」についての考察。

加えて、師と呼ぶべき人から頂いたテーマ「人生の豊かさと旅行観」についても併せて挙げてみた。

いきなり頭から結論を記すのもどうかと思うが、小手先で誤魔化しても仕方ないので、私の幸福解釈について載せてみることにする。

私の幸福解釈

答え:

幸福とは、極めて相対的なものである

この理由の説明の前に、まずアジアの中にあるひとつの国を事例を挙げてみる。チベットとインドとの間に、ブータンという小さな国がある。

ブータンは、大半の国民が「幸せ」と感じており「世界一幸せな国」というふれこみとから、一昔前から注目を浴びているチベット仏教の国。

首都ティンプーは、約2,400mの位置にある。国内の標高は100m~7700mと高低差が激しく、国土のほとんどが山岳地帯でなので、産業開発にはとても不向きな土地である。

人口わずか70万人足らずで、国民1人当たりGDPは、760ドル(2004年の世界銀行資料参照)で、アジア最貧国のひとつにもあげられる国だ。

そんなブータンが、世界で注目を浴びている要因がある。

 

それは、国民総幸福量(GNH・グロス ナショナル ハピネス・Gross National Happiness)という概念である。

GNHとは、1976年にブータンの国王が「GNHは、GNPより重要である」と唱えたことがはじまった。

最近では、国連がGNHの指標化の協力をしたり、資金の提供を申し出ていることから、注目が集まっている。

GNHは、いまやブータン王国が目指す国家目標であり、幸福を実現するために、この推進の4つの柱が掲げられている。

  1. 経済成長と開発
  2. 環境の保全
  3. 文化遺産の保全とその振興
  4. 望ましいガバナンス

ブータンにとっては昔ながらの生活習慣や文化・価値観を大切にすることを改めて確認した宣言だが、それが先進国の開発一辺倒で経済成長を追及してきた国々のアンチテーゼとして存在感を増してきているのだ。

また、2000年のブータン王国財務省計画局発行のレポートによると、「物質的欲求には、ストレス関連の病気や自殺のような多くの社会問題の増加や、幸福の対照的とも言える現象の増加が伴われるのである」という言葉があげられているのも、とても印象的。

環境の保全の部分から発展して、環境保護と仏教教義的な背景から、ブータンでは2004年12月より世界初の禁煙国家となった(その当時は)。

国の中で煙草の販売が禁止された。国外から持ちこむことは出来るが、100%の関税が課せられるそうだ(いま現在は緩和されている?)。

4つの大きな柱からなるこのGNH・国民総幸福量・グロスナショナルハピネスにより、「世界一幸せな国ブータン」として、GDPやGNPの増加を目指している先進国から注目されている。

実は自分が知らなかったが、わが日本もその成り立ちから経済援助などを通じて、ブータンのGNHの実現に大きな貢献をしている部分があるそうだ(ブータンの農業の発展に大きく貢献した西岡京治さんの影響もあると思われる)。

 

その他のブータン参考記事:ブータンが提唱する国民総幸福とは何か  −成長診断分析を通じてその推進を支える−

幸福と欲望と利便性と

しかしながら、現代の光高速回線のインターネットとデジタル社会が進んだ日本の世の中と比べてしまうと、ある意味ブータンは「思想主義の国」という印象も受けてしまう。

というのも、実際にはGNH・国民総幸福量はまだ概念止まりであり、しっかりとした理論的な展開ができておらず、研究段階であるといえるらしい。

その理由は、少し哲学に近いイメージでもあるし、ブータンには敬虔な仏教徒が多いために成り立っているという側面もあるとのこと。つまり、再現性が高くないのだ。

また、GNH・国民総幸福量は「個人の幸せ」を重視しているが、個人の幸せは価値観や不公平感、さまざまな方向性、考え方など多様性があり、定量化や一般化が困難という課題も多く残っているという理由もある。

しかし、そういった問題はあるとはいえ、ともかく、このブータンの人々は、自分の一生涯の時間をこの上なく「幸せ」だと認識しているそうだ。

 

振り返ってみて、現代の我々日本人はどうだろう?

自分は一年振りに中国での生活から帰国してきた際、とても強く感じたことがあり、それが未だに頭の中から離れない。

それは、欲望至上からの風景だ。

例えば、中国では週刊誌の表紙に若いグラビアタレントが際どいポーズを取っているような雑誌はほとんどないない。

国が色欲に対する規制を敷いているからだ。

仮にあったとしても、日本のコンビニに置いてある様な頻度ではまず見かけない。

他にマレーシアで例えてみると、国が連邦制のイスラム教国家であるため、若干飲酒に関する規制がある。

扱っている店では売ってはいるのだが、他の食べ物・飲み物と比べると、やけに高い値段が付けられている。

私は旅行に行った時、南国の蒸し暑い気候の中、おもいきり飲みたい気分にも関わらず、どのビールの値段も馬鹿に高いので、我慢して飲まなかった経験がある。

 

上記の「欲望至上からの風景」とは、帰国して一番に電車に乗った際に感じたものだった。

それは、電車の中づりの広告からの「欲望・情報量の比重」がもの凄かったことから感じた。

週刊誌広告には、やれ誰かれがヘアヌードを出しただの、有名政治家の汚職があっただの、新しくてさらに綺麗になる化粧品がでた などと、所狭しと多大な情報量の広告アピールが蔓延していた。

その後ろの広告に目をやると、やれどこどこの酒造会社が新しい発泡酒をだしただの、そのビールののどごしが凄いだだの、その切れ味が抜群だなどと、こちらも負けていない商品情報を放っていた。

渡航前までの自分は、それらの情報が蔓延していた日本で生まれ育ったので、この島国の外に出る前までは何も不思議に感じていなかった。

が、禁欲とまでは言わないが、ある程度それが抑制された環境に滞在していたお陰で、自分がその免疫がない文化圏の人間かのように感じてしまった。

つまり、多くの中国人や抑制された国の人が、日本人に対して持っているイメージを、自己の身を持って体感したのだった。

 

思い返してみると、中国の現地に住んでいた頃、中国人の友達からよく聞かれた事がある。「日本には風俗の店が沢山あるのですか?」 やら 「女の人がオープンなのは本当ですか?」などの類の質問だ。

実際にはそこまですごいことはないのだが、ある程度の欲望抑制国からの目線で考えてみると、いまとなってはそういうイメージになることは至極自然なことのように思える。

 

これらのことを評して、自分はこう考えた。

一体、どのラインの欲望まで満たせば、この国(日本)に住む人々の 「幸せのバロメーター」 を振り切ることが出来るのだろうか?と。

仏教と煩悩と苦しみと

ここでひとつ仏教の考えを思い出した。

この仏教の考え方からすると、欲望(煩悩)は簡単にあしらうことは出来ないということだ。

それは、「煩悩(欲望)があるからこそ悟りがある」という考えだ。

 

これを現代社会に当てはめると、人間は悩みや苦しみ、不遇な状況があるからこそ、そこから脱出しようと奮起し努力するのであるとも考えることができる。

悩みや苦しみに打ちひしがれていないで、「苦しみさん、いらっしゃい!」と胸を張る心と気概があれば、道を必ず開けるというが、それは少々言うがやすし、誰でもその境地に行きつけるほど仏教の教えは簡単なものではない。

しかし、その抑制国からの比目線から言うと、もっと大きな隔たりが残っている国がアジアの中に存在する。

それが、インドという国だ。

ここから徐々に「人生の豊かさと旅行観の話」へもシフトしてくるが、自分は現在、インドへの旅を計画している。

その動機は、はっきりとした出来事があった後に芽生えたというものではなく、気がつくと「命の森羅万象の地」を、一度この目とこの足で訪れたいといった感情から生まれていた。

いま現在、何冊もの書物やwebサイトからインドへの心構えを始めているが、伊藤洋一氏の「ITとカースト -インド成長の秘密と苦悩-」という本がとても勉強になっている。

 

みなさんは、インドと聞いてまず一番に何を思い浮かべるだろう。

カレーだったり、象だったり、ガンジス河だったりと、人それぞれ思い浮かべると思うが、身分差別制度のひとつ、カーストというヒンドゥー教にまつわる身分制度が、未だに根強く残っている国でもある。

 

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とても長くなってしまったので、続きは後編にて記します。

 

落語ナビゲーターとして活動しています

 
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