カナダの瞑想仲間から得た学び 後編

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前回の続きの記事です

参照記事 ▷▷▷カナダの瞑想仲間から得た学び 前編

バイリンガル人への嫉妬

10日間の瞑想コース終了後、聖なる沈黙の時間が終わると、みなそれぞれの母国語でまわりの瞑想の生徒と会話をはじめます。

そんな中、アントニーはフランス人の参加者とはフランス語で、それ以外の参加者とは英語で、つまりほとんどの外国人参加者と語学の壁を乗り越えて会話をしていました。

自分はというと、彼ほど深く他の生徒とコミュニケーションを取ることができませんでした。

シンガポール人のおじさん数人と香港人のアシスタントティーチャーとは、知ってる限りの中国語を使って会話を試みましたが、現地語の様なものが入ったり自分の知らない単語が入ると、英語で補足をしてもらったりと、たどたどしい会話になりました。

 

瞑想センターを出たあとは、ブッダガヤーの中にある各国の仏寺へ彼と一緒に行きました。

そのとき自分は少しの劣等感を感じました。

寺院内で母国語以外の補足がなされている言語は、英語とインドのヒンディー語のみ。

彼は長文の英語の説明文もなんなく読み進めますが、自分に理解できるのは概要くらいなもので、説明文の詳細まではとても理解できません。

瞑想コース中のゴエンカ氏の英語の解説テープも、のちの日本語解説テープを聞くまでは完全な理解はできません

ヴィパッサナー瞑想のDISCOURSE(講義)の内容が「THE ART OF LIVING」という上記の本になって出版されていますが、インドには英語かヒンドゥー語版しか販売しておらず、その当時は辞書と格闘しながらでないと読み進められません。

その点、英語がマザーランゲージなので、彼は何の苦労もなくその場で完全な理解を得られていました。

 

…ある時、すでにアントニーとも親しくなっていたので、いままで感じたことすべてを彼に話しました。

 

「僕たち日本人は、国内すべてを日本語でカバーされているので、国外に出たときには必ず第二外国語を必要とするんだ(一部日本語のみでやっていける観光地もありますが)。

それに比べて、英語が母国語の君たちは、国外でもその壁を感じることはほとんどない

これは完全なジェラシーからくる感情的な意見だけど、君たち英語人は僕たち以上にその現地に対して、何かを図る余裕があるんじゃないのかな?

 

すると、彼はこう言いました。

 

それは確かに僕たちのアドバンテージ(有利な点)だ。

だから僕は、いつもその国の現地語を出来る限り覚えるようにしているよ』

 

嫌でも理解してしまう耳

なるほど。彼の意見を聞いて、少し納得しました。彼なりに自分にできる現地語を学ぶ努力をしていたとは…。

思えばこんなことを言ってしまった気持ちの裏には、こんな背景があります。

彼のいろいろな場所での英語理解が、とても追いつけないほどすぐれていました。当たり前ですね、彼にとっては母国語なんですから。

それを分かってはいつつも、毎回その完璧な英語理解力を脇で見ていた自分の心に、少しづつ嫉妬の気持ちが生まれていました。

 

もう一つ、アントニーが言ったことがあります。

彼は毎回その国の言語や文化を学んだり、現地のボランティア(ときには有料のボランティアも)にも進んで参加しながらアジア圏をまわっていました。

そんな彼と自分を比べてみると、彼ほどの熱量で異国の文化や言語を学んではいませんでした

 

さらに、ふとこんなことを思いました。

もしかすると、否応なしにすべて言葉を理解できてしまうという事は、僕たちには分からない部分や見たくない部分・見なくてもよかった部分まで理解できてしまうのでは…?

 

英語が母国語の彼には、英語で語られているその国の問題を嫌でも理解して直面せねばならない

ときには、知らない方がよかったような悲しいことや厳しい現実もあったかもしれません。

それがどれほどのものであるか、語学力の劣る自分には想像することもむずかしいです。

もしかすると、語学力が劣るからこそ無闇に傷つかずに済んでいたのかも

 

もしかすると、彼はいままで見聞きしてきた問題に対して、旅の道中に出会ったすべての国の人・旅行者と意見を交わし合い、その問題の解決に向けて何らかの着手・思考をはじめていたのかもしれません。

現に、隣の部屋にイスラエル人たちとみんな英語で話をしていたときも、途中から英語の難易度が高くなってついていけなくなったときに、そんな会話をしていた様に見受けました。

こう考えてくると、自分が感じた嫉妬心はなんて安っぽいものなんだ と思えてきました。

 

その他にも、アントニーとはたくさんの話を交わしました。

昼間一緒に行動をしていたときも、彼は歩くスピードがとても速くその好奇心旺盛な性格が歩幅にも表れているかのようでした。

あるときふと血液型をきいてみると、彼はB型とのこと。

日本人のB型の友人の性格を思い返してみると、まるっきり一致してしまうので思わず笑ってしまいました。

すると彼は、『カナダでは、血液型でそんな性格分類なんてしないよ』と一蹴。

確かに血液型を気にするのは日本人だけなのかもなぁ と感じました。

 

気づきと嘘

そういえば、彼がよく言っていた口癖があります。

 

『やることが沢山ありすぎて、時間がまるで足らない。

インターネットネット喫茶のオンラインが必要だけど、インドでは停電が多すぎて店の回線が途切れてしまうことが多すぎる。まるっきり思うよう進まない。  

でも、ここではそれを受け入れるしかないんだ。』

 

深く同感しました。

いま考えてみると、あの10日間の瞑想を経験したからこそ、深く浸透する考えなのかもしれません。

振り返ってみると、旅行中にこれだけ多くの時間を共に過ごした外国人は、自分にとって彼が初めて。

とても多くのことを、彼の言動や背中から学ばせてもらいました。と同時に、あの非常に貴重な瞑想の気づきを修行という形で一緒に学んだ、いわば同志です。

『いつか日本に遊びに行くかもしれない』と言っていたので、出来ることならば再会を願って、16日振りに彼と別れました。

 

瞑想の道のように、ゆっくりとどこかのゴールに向かっていくのと同時に、ひいては「自分自身を知るということ」もいつか形在る答えを見つけていきたいと感じた日々でした。

 

*********************

 

初めてヴィパッサナー瞑想を体験したのがインドのブッダガヤーだったことは、ある意味幸運なことだったのかもしれません。

それは、上記のアントニーと出会ってたくさんの交流ができたから。

いつかまたどこかで会えたら、またいろんな話を交わしたいカナダの友人です。

 

落語ナビゲーターとして活動しています

 
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